院試塾ブログ
インターネット大学院予備校代表・畑中泰道のブログ
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概説書の利用法
研究を始めるにあたって,また何か新しいことを学び始めるにあたって,もっとも心強い友はよい概説書である。
概説書は何も通読しなくてもよい。自分の興味・関心の対象が,当該学問分野でどのように扱われているかを知ること,つまり自分の関心を学問分野のなかで「定位」することのために用いることができる。自分が学びたいと思っている主題が,大きな学問分野のうちどの下位分野で研究されているのか,どのような方法論で研究されているのかを知ることができる。まずは目次や索引などから自分の興味の対象が概説書のどこに書かれているかを見つけ,その部分を読み,必要と思われる他の部分に読む範囲を広げていけばよい。このために,目次や索引がしっかりしていることが「よい概説書」の条件の1つであると言えるだろう。
また,次に読むべきものが示されていることも大切だ。きちんとした概説書には,「文献解題」やFurther Readingといった項目が,章ごと,または巻末に一括して設けられている。もちろん参考文献表が別にある場合も多いが,単に参考文献を挙げてあるだけでなく,初学者が読むべき文献に絞って紹介し,その内容や意味についても解説してあるのがよい。
こうして「次に読むべきもの」をたどっていくと,だんだんと対象範囲が狭まってくる。ある学問分野の概説書から,その下位分野の概説書,さらに具体的なトピックを扱った本へと自然に導かれていく。そこから先は個々の論文にあたっていくことになるだろう。このプロセスを通して,興味の対象も具体的に絞り込めてくる。「学びの好循環」と言ってもよいだろう。
これで自分の疑問が一通り解決できればそれでよい。しかし,学問の奥深さのために,上記のプロセスだけでは疑問が十分に解決できない場合も多い。ここで「大学院での研究」に対する必要が生じ,それを希望することになる,というのが理想だ。ここまでの勉強がきちんとできていれば,研究計画書を書くのも比較的容易であるはずだ。
逆に,大学院進学を志しているが研究計画がうまく立てられない,という人は,上で説明したプロセスをきちんとたどってみるとよいだろう。これにより,自分の研究したいことが学問分野のなかできちんと定位でき,先行研究についてもある程度は把握できるからだ。
posted at 23:38:20 on 12/23/05
by yhatanaka -
Category: 教育・学問
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