院試塾ブログ
インターネット大学院予備校代表・畑中泰道のブログ

12 July

かかとを履きつぶすのはやっぱりだらしない

 2007年7月12日付けThe Asahi Shimbun21面の記事"Opposition leaders attack Abe on pension issue, Akagi scandal"に以下の1文がある。年金問題に関するものだ。

On July 5, Abe held a news conference to explain the government's measures to deal with the Social Insurance Agency's slipshod management of pension records.

 下線部は「社会保険庁の年金記録に関するずさんな管理」という意味だが,この「ずさんな」に相当する形容詞が太字になっているslipshodである。辞書(『ジーニアス英和大辞典』)で調べてみると,この語が本来かかとを履きつぶした靴を意味するものであることがわかり,slipshod shoes「かかとのつぶれた靴」という用例も挙がっている。「ずさんな」に近い例としてはa slipshod piece of work「ぞんざいな作品」がある。
 洋の東西を問わず,かかとを履きつぶすのはやはりだらしないのだ。
09:04:04 - yhatanaka - No comments - TrackBacks

08 July

cartとbasket

 オンライン・ショッピングで使う「買い物カゴ」などの表現が,英米でどうやら異なるようだ。Amazonの英米サイトを比較してみると,イギリスではbasket,アメリカではcartとなっている。ただし,アイコンはいずれもカートの絵である。日本サイトもアイコンは同じで,「カート」としてある。
 Collins Wordbanks Onlineで検索してみると,やはりイギリス英語ではshopping basket,アメリカ英語ではshopping cartが,それぞれ主流であることがうかがえる結果が出た。原因については憶測の域を出ないが,アメリカでは大型モールでの買い物がイメージされ,そのためにcartという語のほうを多く使うのかもしれない
 ついでにAmazonのフランスサイトを見てみると,やはりアイコンは同じでpanierという語を使っている。この語は「カゴ」という意味である。
 一度詳しく調べてみる価値がありそうだ。
16:50:59 - yhatanaka - No comments - TrackBacks

01 July

tropic / tropical

 tropicalという英語を知っている人は多いだろう。「トロピカル」とカタカナ語としても使われている。しかし,この英語の形容詞の派生元である名詞tropicは意外に知らないのではないか。英語の語形成の観点から言うと,名詞tropicに-alをつけて形容詞を作っているのだ。
 tropicの基本的意味は,北回帰線,南回帰線の「回帰線」である。北回帰線はTropic of Cancer,南回帰線はTropic of Capricornと言う。なお,Cancerは「かに座」,Capricornは「やぎ座」である。松任谷由実の曲にもTROPIC OF CAPRICORNというのがあり,アルバム『VOYAGER』に収録されている。歌詞にサザンクロス(南十字星)も出てきており,南半球を歌ったものである。
 the tropicsと複数形にすると「熱帯」という意味になる。COBUILDの説明を見るとThe tropics are the parts of the world that lie between two lines of latitude, the tropic of Cancer, 23 1/2゜north of the equator, and the tropic of Capricorn, 23 1/2゜south of the equator.となっていて,「回帰線」の意味のtropicと関連づけられている。
 フランス語にもtropique(s)という語があり,やはり単数形で「回帰線」,複数形で「熱帯地方」という意味である。人類学者Levi-StraussにTristes Tropiques(『悲しき熱帯』)という著作がある。日本語では中公クラシックス版の川田順造訳と講談社学術文庫版の室淳介訳とがあるが,後者は『悲しき南回帰線』というタイトルになっている。

21:50:10 - yhatanaka - No comments - TrackBacks