院試塾ブログ
インターネット大学院予備校代表・畑中泰道のブログ

19 March

副詞の解釈―disturbingly resemble

 副詞の解釈は英文読解でも実はやっかいなポイントであり,ここでも何度かとりあげたことがある。院試塾の講座でも,「〜的に」と安易に訳すのは避けるように指導している。
 以下の例を考えてみよう。

The fishermen say the Heike samurai wander the bottoms of the Inland Sea still―in the form of crabs. There are crabs to be found here with curious markings on their backs, patterns and indentations that disturbingly resemble the face of a samurai. When caught, these crabs are not eaten, but are returned to the sea in commemoration of the doleful events at Danno-ura. (Carl Sagan (1980) Cosmos. Ballantine Books. p.15)

disturbinglyは動詞disturbから派生したもので,『ランダムハウス英和大辞典』では副詞として独立した見出しになっておらず,形容詞disturbingに付随する形でしか挙がっていない。それを見ると,「心配にさせる」という訳語が挙がっているので,とりあえずこれを出発点としよう。
 続いて,『英和活用大辞典』でresembleを引いてみる。resembleを修飾する副詞にどのようなものがあるかを確かめるためだ。closely / remotely / strongly / superficially / vaguelyの5つが挙がっており,いずれも基本的には程度の副詞であると考えてよさそうだ。このdisturbinglyも同様であると考えると,「心配になるほど」と解釈するとよいのではないかという結論にとりあえずはいたる。
 引用の文脈を考えると,もう少しよい解釈を思いつくように思う。平家の武士がカニに姿を変えて海底をさまよっている,という伝説とあわせて考えると,たとえば「不気味なほどに」という解釈が適切であると思われる。
 副詞の解釈ひとつでも,場合によってはこれだけ考える必要が出てくる。英文と真剣に向き合うとは,こういうことではないだろうか。
20:26:51 - yhatanaka - No comments - TrackBacks