院試塾ブログ
インターネット大学院予備校代表・畑中泰道のブログ

21 May

タンポポ(蒲公英)

 いろんなところでタンポポを見かける。特に理由があるわけではないが,好きな花だ。英語ではdandelionと言う。フランス語から入ってきた語で,フランス語で書くとdent-de-lion。そのまま英語に直すとtooth-of-lion「ライオンの歯」となる。歯がギザギザであることからこのように呼ばれるのだとのこと。ぼくはつい最近まで花のほうに注目してこう呼ぶのだとばかり思っていた。
 そもそもタンポポのことをdandelionと言うのを知ったのは,松任谷由実の「ダンデライオン〜遅咲きのタンポポ」を聴いた時で,調べてみると1983年リリースだから,ぼくは17歳だった。
 「タンポポ」を漢字で書くと「蒲公英」となる。「蒲」は「ガマ」で,因幡の白兎の話に出てくるあのガマである。なぜガマなのかは知らないが,中国語でこう書くのだそうだ。
 因幡の白兎と言えば,鳥取市に白兎海岸という場所がある。因幡の白兎の故事の場所らしい。3年ほど前,出雲大社に行った帰りに寄った。出雲大社の祭神はオオクニヌシ,つまりだいこくさまだから,このルートは適切ではないかと思う。海岸近くには白兎神社というのもあって,ここの祭神はずばり因幡の白兎である。
 連想の鎖がずいぶん伸びたが,このあたりにしておこうか。
09:07:22 - yhatanaka - No comments - TrackBacks

12 May

mind if S+Vのif節はどう分類すべきか

 Do you mind my smoking?≒Do you mind if I smoke?という書き換えは,大学入試英語では定番である。ぼく自身もこれまで,これを特に疑いもせずに当たり前のことだと考え,またそのように教えてきた。しかしよく考えてみると,このif節は名詞節なのか副詞節なのか,という疑問が生じる。my smokingという動名詞句との書き換え関係を重視するなら,名詞節だと考えるのが妥当であるように思われる。一方で,if節内の動詞が未来の内容でも現在形になる点から考えると,この節を副詞節と考えてもよいように思われる。
 学習用英和辞典はおおむね副詞節と見ているようだ。たとえば,『ジーニアス英和辞典』(第4版)では,Would you mind if I used your car tonight? / Do you mind if I use your car tonight?という文を,自動詞1の用例として挙げている。『プログレッシブ英和中辞典』(第4版)でも,He doesn't mind if you call him late at night.を自動詞の用例としてある。「彼は夜遅くに電話しても迷惑がらない」という訳からも,この節を副詞節だととらえていることがうかがえる。
 しかし,どちらの辞典も他動詞に「…をいやだと思う」という語義があり,間接疑問文を従える旨の語法表示がある。しかも,I don't mind what you do as long as it's within the rules.(『ジーニアス』)といった用例が挙がっており,未来の内容であっても間接疑問文の動詞は現在形にするという語法注記がある。となると,Do you mind if I smoke?のif節が間接疑問文,つまり名詞節であり,動詞がwill smokeとならないのは上記の語法注記の内容に従っているとも考えられるのだ。
 mind that S+Vにおいても,節内の動詞はwillを入れずに現在形にする。これはsee (to it) that S+Vなどでも同様である。willの表すある種の不確実さを嫌うからではないかとぼくは考えている(いわゆる「時・条件の副詞節」についても同じように考えている)が,これがmind if S+Vにも当てはまっていると考えることはできないだろうか。
 今のところ,確定的な答えを用意しているわけではない。これからさらに調べてみようと思う。
10:39:06 - yhatanaka - No comments - TrackBacks

11 May

英語副詞の解釈―適切な読みのために

 英語の副詞を安易に「〜的に」と解釈してもきちんとした理解に到達できないことはすでに何度か指摘している。最近読んだOliver SacksのOaxaca Journalで興味深い例を見つけたので,いっしょに見ていこう。最初はこれだ。

A few blocks from Santo Domingo, we stop at a tiny but wonderful, aromatic spice shop. My botanical companions are fascinated, gastronomically, botanically. Scott tells me that there were at least a hundred and fifty plants domesticated before Columbus. We idenfity everything by its Latin name and its common name; everything is sniffed, olfactory nuances identified. Many of my companions buy exotic spices to take home; I content myself, timidly, with some pitachios and raisins. (p.26)

下線部はどんな内容を表しているのだろうか。まずはgastronomicallyから考えていこう。『ランダムハウス英和大辞典』でgastronomicallyを引くと,gastronomyの小見出しとして関連する副詞であることだけが示されている。gastronomyのほうを見ると以下のような記述が見あたる。

  1. 美食法[学];料理学

  2. (特定の地域の)料理[食事]様式[習慣]


残念ながら,これらを見てもあまりピンと来ないのではないだろうか。fascinated gastronomicallyを「料理学的に魅了される」などと解釈してもよくわからない(なお,このfascinatedは「興味津々である」といった意味になる[参考])。
 英英辞典を引いてみよう。LDOCEでgastronomicを引くと,relating to the act of cooking good food or the pleasure of eating itとあり,the gastronomic delights of Thailandという用例が挙がっている。香辛料に対してこうした興味を持つ,という点から考えると,「どんな味や香りがするのか」に興味を持つ,と考えることができるだろう。
 botanicallyについては,この旅行記が植物,特にシダ植物に対して興味を持っているグループの旅をつづったものであることと,My botanical companionsとの関連から考えれば,「どんな植物が使われているのか」といった意味だと判断することができる。
 つまり,下線部の意味は「私といっしょに植物を見る旅をしている仲間は,どんな味や香りがするのか,どんな植物が使われているのか,興味津々である」となる。
 もう1つ,同じOaxaca Journalからの例を見ておこう。

Our group, of course, dallies by the fruits and vegetables, sampling them mentally and physically, moving from recondite botanical identifications and comparisons to ecstatic sighs (or ocasional eugghs!) at their varied tastes. (p.31)

下線部はどういう意味か。簡単に言うなら,mentallyは「頭で」,physicallyは「舌で」という意味だ。これは下線部直後の内容と関連づけて考えればわかる。sample mentallyとはどんな植物であるかを見きわめること,sample physicallyとは実際に食べてみることだとわかるのだ。
 このように理解できれば,英文の内容がぐっと身近に感じられるのではないか。
10:33:15 - yhatanaka - No comments - TrackBacks

01 May

しっかり読める英語力

 これまでにも何度かとりあげてきたが,英語は名詞化を多用する。特に高度な内容を書いた英語を読む際には,名詞化をほどいて理解するとずっとわかりやすくなる。これは単なる翻訳のテクニックではない。しっかり内容を読みとるための「方略」であると言ってよいだろう。今回は,Sherwin NulandのThe Mysteries Withinというメディカル・エッセイで出会ったものを紹介する。まずは以下を見てほしい。

The belief that splenectomy would allow people to run faster is enshrined in Talmudic literature as a comment on a passage from the biblical text of I Kings. Its appearance there is doubtless a reflection of the notion's widespread acceptance in the medical lore of the time, between the second and fourth centuries C.E. (p.143)

下線を施した部分には名詞化が3つ出てきている。Its appearance thereはどちらかというと基本的なもので,appearanceを対応する動詞appearに戻し,所有格を主語に関連づければIt appears thereと読みほどくことができる。
 2つ目はa reflection of ~である。これについて注意しなければならないのは,reflectionにaがついていること,つまりこのreflectionが可算名詞として用いられている点だ。一般に,名詞化形が不可算名詞である場合には「〜すること」という過程の読み,可算名詞である場合には「〜するもの」「〜の結果生じるもの」といった結果の読みになる場合が多い。このa reflection of ~も「〜を反映しているもの」と読むとわかりやすい。なお,前置詞ofがもとの動詞の目的語を表す場合が多いこともあわせて確認しておこう。
 3つ目はthe notion's widespread acceptanceの部分である。ここのポイントは,名詞化形が受動の意味を持っていること,つまりacceptanceがwas acceptedに対応していることだ。関連して,以下の2つの例を見てほしい。

  1. the enemy's destruction of the city

  2. the city's destruction by the enemy


1の例はthe enemy destroyed the cityという能動態の文,2の例はthe city was destroyed by the enemyという受動態の文にそれぞれ対応する。特に2では前置詞byが出てきているから受動態と対応していることは比較的わかりやすいが,上の引用の文ではこの点がややわかりにくくなっている。しかし,意味をきちんと理解しようとする姿勢を持っていれば,acceptanceを受動態として解釈したほうがずっとすっきり理解できることが見抜けるはずだ。
11:01:21 - yhatanaka - No comments - TrackBacks