院試塾ブログ
インターネット大学院予備校代表・畑中泰道のブログ

08 July

challengeと「挑戦する」

 英語の動詞challengeと「挑戦する」という日本語とを対応させて覚えている人がけっこういるようだが,ハッキリ言ってしまえばこれはほとんど間違いだ。『ルミナス英和辞典2』の語義展開図を見ると,この語が元来は「とがめる,非難する」の意味であり,そこから「異議を唱える」,「力量を問う」などの意味が派生していることがわかるようになっている。また,「日英比較」の項目には,以下のていねいな記述がある。

日本語の「チャレンジする」と違って目的語は人・集団・組織を表す語が普通。「いろいろなことにチャレンジする」に相当するのはtry many thingsやhave a try at many things。

 こうした点をふまえて,以下の実例を見てほしい。

  1. The sea has always challenged the minds and imagination of man and even today it remains the last great frontier of Earth. (Rachel Carson, The Sea Around Us, p.vii)

  2. The other planets are a superb training ground for students of the Earth. They require both breadth and depth of knowledge, and they challenge the imagination. (Carl Sagan, Pale Blue Dot, p.180)


 試しにchallengeとimaginationの両方を含む例文を電子辞書で探してみると,『新英和大辞典6』にThe poem challenges our imagination.(その詩は我々の想像力をかき立てる)というのが見つかる。この例文が挙がっている語義は「〈注目・想像力などを〉促す,促し求める,挑発する,喚起する;刺激する」となっており,上記1.のchallenge the minds and imaginationはおおよそ「頭脳と想像力を刺激する」という意味だと判断できる。
 また,「促し求める」という点から考えると,2.の例が興味深い。というのは,当該文の前半にrequireが含まれているからだ。『ルミナス2』を見ると「(物事が)〈注意・努力・称賛など〉を必要とする,要求する」というのがある。
18:03:07 - yhatanaka - No comments - TrackBacks