院試塾ブログ
インターネット大学院予備校代表・畑中泰道のブログ

30 March

学問へのパスポート―Very Short Introductions

 学問に必要な基礎知識と外国語読解力を同時に身につけることができれば,本格的な学問研究の入口としてとてもよい。こんなニーズを満たしてくれるのが,Oxford University PressのVery Short Introductionsシリーズである。Webサイトによれば現在173冊が刊行されており,カバーしている分野も広い。
 このシリーズは学問研究のパスポートであると言ってよいだろう。特に評価できるのが,(すべてを調べたわけではないが)文献解題ないしは参考文献の紹介がきちんとある点だ。つまり,このシリーズの1冊から,その分野にさらに深く入り込んでいくことができるのである。もちろん,大学院入試の準備として読むこともできるが,やる気とある程度の英語力があれば大学受験生でも読めるだろう(実際,予備校で教えている生徒にもすすめている)。
 英語もそう難しいわけではない。このくらいのものが辞書を引きながらでも読みこなせなければ,専門的な文献を読むことなどおぼつかないだろう。原書に比べてかなり少ないが岩波書店から翻訳が出ている(<1冊でわかる>シリーズ)ので,ものによっては翻訳と見比べながら読み進めることが可能である。とりあえず1冊目はこの方法で読むのもよいかもしれない。
 院試塾では,「心理英語スタートダッシュゼミ」という講座で,Psychology: A Very Short Introductionを教材として使っている。ぼくがこの講座の着想をえたのは,実はVery Short Introductionからではなく,自分がフランス語学習もかねて読んでいたQue sais-je?シリーズからだった。1冊を読み切るまではたいへんな思いをしたが,1冊読むと自信もつき,2冊目以降は比較的楽になってくる。皆さんにもこうした実感を持ってもらえればと思う。
17:55:57 - yhatanaka - No comments - TrackBacks

26 March

フランス語とのつきあい

 フランス語を学び始めたのは高校2年の時だ。きっかけは,東後勝明先生のNHKラジオ『英語会話』でフランス旅行の話が出てきて,その時にフランス語の発音がおもしろそうだと感じたこと。林田遼右先生のNHKラジオ『フランス語講座』と加藤晴久先生のNHKテレビ『フランス語講座』で学び始めた。辞書は『クラウン仏和辞典』を買った。
 その後もラジオ・テレビの講座や独習書で勉強を続けた。高校3年の受験時期も,フランス語の勉強は止めなかった。大学でも第2外国語はフランス語。この時,林田先生といっしょにラジオ講座を担当していたトルード先生に直接教わることになった。
 大学では英語学を専攻しようと決めていたが,いざ大学に入ってみると,フランス語学もいいなと思うようになった。実のところ,授業1週目は英語学専攻に進むための必須科目「英文法概説」ではなく,フランス語学の基礎科目に出てみた。しかし,冷静に考えてみると,フランス語をある程度ものにしてさらに研究まで進めるかというと今ひとつ自信が持てず,結局は英語学に進むことにした。
 大学3,4年ではフランス語学の専門科目も履修した。『星の王子さま』をフランス語で読んだのもこの時だ。大学院入試で第2外国語が課されることもあったが,フランス語に対する興味が薄れていなかったからだ。大学院進学の時にも,フランス語学に転向しようかという思いがあったが,結局はそのまま英語学に進んだ。大学院でもフランス語学の講座をとった。言語学の文献ならある程度楽に読めるようになった。
 その後研究の道から予備校に方向転換して,しばらくはフランス語から遠ざかった。そしてここ数年,いろいろな理由からまたフランス語を学んでいる。なかなか勘は取り戻せないが,本を1冊読み切れるところまでは復活した。
 フランス語を学んでいると,英語で苦労している人の気持ちがある程度は理解できるように思う。本を読むにも辞書は手放せないし,文法が十分にわからないこともある。しかし,単語を単語集で覚えようとしたことはないし,そういうことをしようとも思わない。ひたすら未知の単語を調べ,忘れたらもう一度調べる。これで必要な単語は身につくはずだ。文法事項も必要に応じて『新フランス広文典』で調べる。例文を参照しながら解説を熟読し,文章で実際に出会った1つ1つの項目をものにしていく。外国語を学ぶとは結局こういうことなのだとつくづく感じている。
16:16:48 - yhatanaka - No comments - TrackBacks