語の意味を訳語で単純に「暗記」することの問題点は,すでに何度か指摘してきた。今回はgeneral / particular / specificという3つの語を題材に考えてみたい。generalはparticular / specificと対義関係にあるが,particularとspecificの間にももちろん違いがある。おおむね以下のようにとらえておけばよいだろう。
まずはgeneralから見ていこう。「一般的な」という訳語があまりに定着しているようで,よく考えずにこの訳語を使ってしまう傾向が見られるが,たとえばThere has been a
general decline in standards.[
LDOCE]は「全体におよぶ」ととらえるべきだし,I have a
general idea of what I want to express.[
LDOCE]は「漠然とした」と解釈しなければならない。
「全体におよぶ」も「漠然とした」もgeneralの根本的な意味から生じたものであろう。この根本的な意味は以下のように図解できると思われる。
「全体におよぶ」とこの図解との対応関係は特に説明の必要もないだろう。「漠然とした」は一見関係がとらえにくいかもしれないが,この意味での対義語となるspecificと比較してみるとわかりやすい。specificの意味は以下のように図解できる。
Could you be a little more
specific?[
Activator]が「もう少し具体的に言っていただけませんか」という意味になることからもわかるように,specificは「対象となる範囲が狭い」が基本だ。この意味や図解と,generalの「漠然とした」という意味とその図解とを比較してみてほしい。
particularはどうか。specificとの違いは微妙な部分もあり,英英辞典の語義を見ても,specificを説明するのにparticularを用いていたりもするのだが,particularには「同種のものとの比較・対比」の意味があるように思われる。
COBUILDを見ても,You use
particular to emphasize that you are talking about one thing or one kind of thing
rather than other similar ones.とあり,類似のものとの比較が念頭にあることがわかる。また,同じく
COBUILDで名詞形のparticularityを引くと,The
particularity of something is its quality of
being different from other things.とあり,やはり他のものとの違いが問題となることがわかる。英和辞典を見ても,「(あるものを同種のほかのものと区別して)」(『ランダムハウス英和大辞典』)といった注意書きがある。訳語としても「個々の」「個別の」のように,他のものとの区別に焦点を当てるものが挙がっている。each particular item「個々の項目」などは,particularを「特定の」と訳してもピンとこない例の1つだろう。
これらの点を考慮してparticularを図解すると以下のようになるのではなかろうか。
1つの語につき1つか2つの訳語を覚えておけば大丈夫,という勉強法は,たしかにとっつきやすいかもしれないが,正確な理解の大きな妨げとなる場合もある点を,特に初・中級学習者はしっかり認識しておいてほしい。