前置詞の用法が比喩的に展開していくことは,『
院試塾の現場から』の記事「精密な英文読解—明確にイメージする」でも述べたとおりだ。この展開を理解するさいに,図解が有効である点についてもふれた。今回は,She did not
measure herself
against some ideal.(
Oxford Dictionary of English)などのmeasure A against Bという語法について考えてみよう。
まず,against自体の基本的な意味「〜に対抗して」は以下のように図解できる。
ここから,「〜にもたれて」「〜によりかかって」(『ジーニアス英和辞典』では[接触・圧迫・衝突])という意味が派生するが,これは以下のように図解できるだろう。
ここからさらに,「〜と比較して」「〜を背景に」(『ジーニアス英和辞典』では[比較・対照])という意味にたどり着くまでにはいくつかの過程が考えられるが,簡単にとらえれば以下の図解のようになるのではなかろうか。
measure one's skill against a rival(『英和活用大辞典』)といった例も見られ,こちらはもっと単純に「対抗」の意味から派生すると考えてもよいが,基本的にはうえで説明した過程で「比較・対照」の意味がえられると考えて妥当だと思われる。