院試塾ブログ
インターネット大学院予備校代表・畑中泰道のブログ

知識の問題は大きく二分できる

 学ぶとは知識を身につけることだ,と考えている人も多い。たしかに,知識を身につけることは必要な要素の1つではある。しかし,知識さえ身につければよいかというと,そうではない。
 知識にknowing that(宣言型の命題に還元できる知識)とknowing how(何かの方法を知っており,かつそれができること)とに分けられることはよく知られている。日本の教育ではknowing thatの部分が過剰に重視されているのが問題だという指摘がなされることがあるし,ぼく自身もそう考えている。英単語の意味を1対1対応で覚えるなどというのはその最たるものではないだろうか。
 今読んでいる,Atul Gawande (2010) The Checklist Manifesto: How to Get Things Rightに興味深い一節があるので紹介したい。

So as I looked up at this whole building that had to stand up straight even in an earthquake, puzzling over how the workers could be sure they were constructing it properly, I realized the question had two components. First, how could they be sure that they had the right knowledge in hand? Second, how could they be sure that they were applying this knowledge correctly? (p.53)

要するに,目的にかなう正しい知識を持っているだけでは不十分だ,ということだ。それを,目の前にある問題に正しく当てはめることができなければならないのである。knowing that / knowing howの区別とは若干異なるが,知識の問題を考えるうえで示唆に富む指摘である。
 英語の語彙や文法の知識はまさにそうである。知識がいくらあっても,それを使って目の前の英文が解釈できなければ意味がない。また,研究計画書などについても言えることではないか。研究計画書に何を書くべきか,どのように書くべきかの知識があっても,実際に書くとなるとうまくいかない人がいる。

posted at 22:25:37 on 09/23/10 by yhatanaka - Category: 教育・学問

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