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インターネット大学院予備校代表・畑中泰道のブログ

「つなぐ」のは接続詞だけではない

 howeverやthereforeの品詞は?と問われて,「接続詞」だと答える人は少なくないはずである。しかし,辞書を引いてみればわかるとおり,これらは副詞であって,接続詞ではない。簡単に,「AだがB」(ただし,A,Bはそれぞれ節)という場合を考えてみよう。等位接続詞のbutを使うと:

の2つの形が可能である(後者の形を好まないネイティブ・スピーカーもおり,その理由の1つは,接続詞が冗長に用いられていることではないかと推測されるが,実際にはかなりよく見かけるものであり,ここでは特に問題にしない)。特に注目してほしいのは前者である。カンマだけでは,節と節とをつなぐ能力はないので,A, Bの形は通常認められない。しかし,この2つの節を文法的につなぐ能力を持つbutを使えば,問題なくつなぐことができるようになる。
 従属接続詞thoughを使う場合,それが導く従属節は主節の前に来ることも後に来ることもできるが,従属節を独立して使うことはできない。

 一方,howeverを使う場合は,前者の形が認められず,後者のみが可能になる。

副詞であるhoweverには2つの節をつなぐ文法的な能力がないので,前者は不適格となる。一方,後者は,ピリオドによっていったん文が終わっており,後続文の文頭のHoweverは2つの文を意味的につなぐはたらきしかしていない。また,howeverは副詞なので,文中に挿入されることもある。
 これらをふまえて,以下の例を見てみよう(期せずして,Butで始まる文も含まれているが,ここでは問題にしない)。

 Martin famously declared that the Fed's job was "to take away the punch bowl just as the party gets going." By that he mainly meant that the Fed should raise interest rates to prevent a booming economy from overheating, which could cause inflation. But his remark was also interpreted to mean that the Fed should try to prevent "irrational exuberance"―Greenspan's phrase―in the financial markets.
 While Greenspan warned against excessive exuberance, however, he never did much about it. ... (Paul Krugman, The Return of Depression Economics. p.142)

従属接続詞whileはそれが導くGreenspan warned ...という節と,he never did much about itという主節とをつないでいる(ここでの意味は対比・対立)。これに対して,副詞howeverは,前の段落の終わりの文と,howeverを含む文とをつないでいるのである。通常,howeverは文中にあってもできるかぎり文頭で訳すようにするので,「しかしながら,グリーンスパンは…注意したが,それについて取り立てて何かをしたというわけではない」と解釈することになるのだ。

posted at 12:48:05 on 10/26/12 by yhatanaka - Category: 英語

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