院試塾ブログ
インターネット大学院予備校代表・畑中泰道のブログ

ふと思い出した言語学入門—二重語

 大学の授業で教わったかどうか忘れたが,言語学概論レベルで扱われる概念として「二重語」(doublet)というのがある。簡単に言うと,もとは同じ語源であるが,異なった経路で借用されたことによって,ある言語では異なる2つの語となっているものだ。日本語の例を挙げると,英語のstrikeが野球の「ストライク」と労働者の「ストライキ」,cupが「カップ」と「コップ」,ironが衣類にかける「アイロン」とゴルフの「アイアン」にそれぞれなっている。
 これを思い出すきっかけとなったのが,ある本を読んでいてThe opening volleys have already been exchanged.という文に出会ったことだ。このvolleyを訳すとすれば「ボレー」となろう。すでにわかったと思うが,このvolleyを含む語としてvolleyballがあり,これは「バレーボール」となる。つまり,「ボレー」(主にテニスか?)と「バレー」も二重語なのだ(ところで,バレーボールで「ボレー」という用語は使うのだろうか?)。こんなことを考えながら,ふと言語学を学びはじめたころのことを思い出した。
 ここに学問の根本があるのではないか。つまり,基本概念を学ぶことで,それまで漠然としか意識されなかったものが整理され明確になる。確たる概念として頭の中に根づくことで,より多くの現象が同じ概念の表れとして意識されるようになる。当然,現象の見方もより細かくなる。これは何も言語学だけではない。すべての学問に言えることだ。この「学問の力」を実感することは,学ぶことの原動力にもなると思う。

posted at 23:17:15 on 05/04/05 by yhatanaka - Category: 教育・学問

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